○準用河川の管理及び施設の構造の技術的基準を定める規則
平成24年12月7日
規則第21号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、東通村河川法施行条例(平成24年東通村条例第34号。以下「条例」という。)の施行に関し、河川法(昭和39年7月10日法律第167号。以下「法」という)及び河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号。以下「構造令」という。)に準じて、河川の管理及び河川の構造の一般的な技術的基準について必要な事項を定めるものとする。
第2章 河川の管理
(河川台帳の保管)
第3条 河川に係る河川の台帳は次の各号に掲げる区分に従い補完するものとする。
(1) 河川現況台帳
(2) 水利台帳
又、占用に係る占用料の減免を受けようとする場合は、様式第3号も併せて申請するものとする。ただし、占用等が公共の用に供するもので、村長が占用等の許可の必要がないと認めるものについては、この限りではない。
2 村の完了検査を受けようとする者は、様式第6号に関係図書を添えて村長に申請しなければならない。
(1) 排水管等の統廃合に努めるものとすること。
(2) 排水管等は河川利用の状況に配慮し設置するものとすること。
(3) その他、審査により適合と認めたものであること。
(許可の期間)
第8条 占用等の許可の期間は5年以内において、当該河川の状況、当該占用の目的等を考慮して必要最小限のものとしなければならない。ただし、電気、電話の施設又は公共の用に供する工作物については10年以内とすることができる。
2 標識の標示には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 許可を受けた者の住所及び氏名(法人にあっては所在地及び名称)
(2) 許可の種類、年月日及び許可番号
(3) 許可の目的
(4) 許可の数量
(5) 許可の期間
(6) 許可の場所
3 標識は、立て札又は埋設標によるものとする。
(許可の更新手続)
第10条 占用者(工事等の承認は除く。)は、占用期間の満了後、引き続き占用等の許可を受けようとする場合には、あらかじめ期間の満了する前までに様式第7号に関係図書を添えて提出し、村長の許可を受けなければならない。
2 引き続き占用等の許可を受けようとする場合の期間については、第8条の規定を準用する。
(1) 相続、合併又は分割により土地占用者の地位を承継したとき。
(2) 法人である土地占用者の代表者を変更したとき。
(3) 土地占用者の住所若しくは所在地又は氏名若しくは名称を変更したとき。
(4) 占用工事等の施行を中止し、又は期間を短縮しようとするとき。
(5) 占用工事等の内容を変更しようとするとき。
(占用者の義務)
第12条 占用者は占用物件等の善良な維持管理に努め、その破損、汚損、倒壊落下その他河川管理上支障とならないよう、適切な措置を講じなければならない。
(廃止及び現状回復)
第13条 占用者は占用者が設置した河川管理施設等を廃止するときは、速やかに当該箇所について原状回復を行い、様式第9号により村長に届け出なければならない。
第3章 準用河川の管理施設等の構造の一般的技術的基準
第1節 村が指定した準用河川
(村が指定した準用河川)
第14条 村が指定した準用河川は次に掲げる河川とする。
(1) 河川名 小老部川
(2) 指定年月日及び告示番号 平成9年3月7日 告示第24号
(3) 河川の範囲 下北郡東通村大字小田野沢字見知川山45番5地先(国道338号小老部橋)から海に至る場所までの1,399メートル。
2 計画高水流量及び計画高水位は次号に掲げる値とするものとする。(平成9年3月19日付東通原子力発電所工業用水水利使用許可申請書により算出された値)
(1) 指定範囲における計画高水流量は1秒間につき100立法メートル。
(2) 指定範囲における計画高水位はT.P(東京湾平均海面)3.205メートルから20.921メートル。
第2節 堤防
(構造の原則)
第15条 堤防は、護岸その他これらに類する施設と一体として、計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。
(材質及び構造)
第16条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとする。
(高さ)
第17条 堤防の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。
2 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位以上とするものとする。
(天端幅)
第18条 堤防の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、3メートル以上とするものとする。
2 堤防の全部又は主要な部分がコンクリート、鋼矢板又はこれらに準ずるものによる構造の堤防については、この規定は適用しない。
3 胸壁を有する堤防については、胸壁を除いた部分の上面における堤防の幅から胸壁の直立部分の幅を減じたものを堤防の天端幅とみなす。
(盛土等による堤防の法勾配等)
第19条 盛土等による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が〇・六メートル未満である区間を除き、50パーセント以下とするものとする。
2 盛土等による堤防の法面は、芝等によって覆うものとする。
(護岸)
第20条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表法面に護岸を設けるものとする。
(管理用通路)
第21条 堤防には、河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を次の各号に定めるところにより設けるものとする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合、堤防の全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものである場合又は堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満の区間である場合においては、この限りでない。
(1) 幅員は、3メートル以上で堤防の天端幅以下の適切な値とし、建築限界は、図1に示すところによること。
(2) 前号の規定による場合のほか、川幅が10メートル未満である区間においては、幅員は、2.5メートル以上とし、建築限界は、図2に示すところによるものとする。
図1
管理用通路 (1)幅員3メートル以上の堤防の建築限界
図2
管理用通路 (2)幅員2.5メートル以上の堤防の建築限界
第3節 橋
(河川区域内に設ける橋台及び橋脚の構造の原則)
第22条 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台又は橋脚に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(橋台)
第23条 河岸に設ける橋台は、流下断面内に設けてはならない。ただし、河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
2 堤防に設ける橋台(前項の橋台に該当するものを除く。)は、堤防の表法肩より表側の部分に設けてはならない。
3 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。
4 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。
(橋脚)
第24条 河道内に設ける橋脚(基礎部(底版を含む。)その他流水が作用するおそれがない部分を除く。)の水平断面は、できるだけ細長い楕円形その他これに類する形状のものとし、かつ、その長径(これに相当するものを含む。)の方向は、洪水が流下する方向と同一とするものとする。ただし、橋脚の水平断面が直径1メートル以下の場合又は橋脚による河積の阻害率が著しく小さいとき、橋脚に作用する洪水が流下する方向と直角の方向の荷重が極めて大きい場合であって橋脚の構造上やむを得ないと認められるとき、又は洪水が流下する方向が一定でない箇所に設けるときは、橋脚の水平断面を円形その他これに類する形状のものとすることができる。
2 河道内に設ける橋脚の基礎部は、低水路及び低水路の河岸の法肩から10メートル以内の高水敷においては低水路の河床の表面から深さ1メートル以上の部分に、その他の高水敷においては高水敷の表面から深さ0.5メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面又は高水敷の表面より下の部分に設けることができる。
(径間長)
第25条 橋脚を河道内に設ける場合においては、当該箇所において洪水が流下する方向と直角の方向に河川を横断する垂直な平面に投影した場合における隣り合う河道内の橋脚の中心線間の距離に橋台を設ける場合においては橋台の胸壁の表側の面から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含み、河岸又は堤防に橋台を設けない場合においては当該平面上の流下断面の上部の角から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含む。以下、「径間長」という。)は、河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合を除き、次の式によって得られる値以上とするものとする。ただし、径間長を次の式によって得られる値(以下、「基準径間長」という。)以上とすればその平均値を基準径間長に5メートルを加えた値を超えるものとしなければならないときは、径間長は、基準径間長から5メートルを減じた値(30メートル未満となるときは30メートル)以上とすることができる。
L=20+0.005Q
この式において、L及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。
L 径間長(単位メートル)
Q 計画高水流量(単位一秒間につき立方メートル)
(1) 川幅が30メートル未満の河川に設ける橋の径間長は12.5メートル
(2) 川幅が30メートル以上の河川に設ける橋の径間長は15メートル
3 河道内に橋脚が設けられている橋、河川を横断して設けられている施設に近接して設ける橋の径間長については、これらの施設の相互の関係を考慮して治水上必要と認められる範囲内において定めることができる。
(桁下高等)
第26条 橋の桁下高は、計画高水流量に応じ、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、当該地点における河川の両岸の堤防の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。
(護床工及び高水敷保護工)
第27条 橋の設置において河床又は高水敷の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工又は高水敷保護工を設けるものとする。
2 前項の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。
(護岸)
第28条 橋の設置に伴い必要となる護岸は、次の各号に定めるところにより設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 河道内に橋脚を設けるときは、河岸又は堤防に最も近接する橋脚の上流端及び下流端から上流及び下流にそれぞれこの規則に定める基準径間長の2分の1の距離の地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
(2) 河岸又は堤防に橋台を設けるときは、橋台の両端から上流及び下流にそれぞれ10メートルの地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
(3) 護岸の高さについては、次に定めるところによるものとする。
ア 河岸(低水路の河岸を除く。)又は堤防の護岸の高さは、計画高水位以上とすること。ただし、橋の設置に伴い流水が著しく変化することとなる区間にあっては、河岸又は堤防の高さとする。
イ 低水路の河岸の護岸の高さは、低水路の河岸の高さとする。
(管理用通路の構造の保全)
第29条 橋(取付部を含む。)は、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 橋の構造は、管理用通路の構造を考慮して適切な構造の取付通路その他必要な施設を設けた構造とする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
(1) 高水敷に設ける小規模な橋で治水上の支障がないもの。
(2) 低水路に設ける橋で可動式とする等の特別の措置を講じたもので治水上の支障がないもの。
2 この節の規定は、樋門に附属して設けられる橋については、適用しない。
第4節 堰
(構造の原則)
第31条 堰は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 堰は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに堰に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(流下断面との関係)
第32条 可動堰の可動部(流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する堰柱に限る。)以外の部分(堰柱を除く。)及び固定堰は、流下断面内に設けてはならない。その他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるとき、及び河床の状況により流下断面内に設けることがやむを得ないと認められる場合において、治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、この限りでない。
(可動堰の可動部の径間長)
第33条 可動堰の可動部の径間長(隣り合う堰柱の中心線間の距離をいう。)は、計画高水流量が1秒間に500立法メートル未満の場合は15メートル以上とする。ただし、その他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
2 可動堰の可動部の全長が30メートル未満であるときは、前項の規定にかかわらず、可動部の径間長を12.5メートル以上とすることができる。
3 可動堰の可動部が起伏式である場合においては、可動部の径間長を前各項の規定によらないものとすることができる。
(可動堰の可動部の径間長の特例)
第34条 可動堰の可動部の一部を土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねるものとする場合においては、前条第1項の規定にかかわらず、当該部分の径間長は、計画高水流量が1秒間に500立法メートル未満の場合は可動部のうち土砂吐きとしての効用を兼ねる部分の径間長さは12.5メートル以上で、かつ、可動部の径間長の平均は15メートル以上でなければならないものとする。
(可動堰の可動部のゲートの構造)
第35条 堰の可動部のゲート(バルブを含む。)は確実に開閉し、かつ、予想される荷重に対して安全な構造とする。
2 堰の可動部のゲートに作用する自重としては、ゲートの自重、貯留水による静水圧の力、貯水池内における貯留水に堆積する泥土による力、貯留水の氷結時における力、地震時におけるゲートの慣性力、地震時における貯留水による動水圧の力及びゲートの開閉によって生ずる力を採用するものとする。
3 前項に規定する荷重の計算、その他可動堰のゲートの構造の基準は構造令に準ずるものとする。
(可動堰の可動部のゲートの高さ)
第36条 可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、計画高水流量が1秒間に200立法メートル未満の場合、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、当該地点における河川の両岸の堤防の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。
2 可動堰の可動部の起伏式ゲートの倒伏時における上端の高さは、可動堰の基礎部(床版を含む。)の高さ以下とするものとする。
(管理施設)
第37条 可動堰には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
(護床工等)
第38条 堰を設置する場合は、これに接続する河床又は高水敷の洗掘を防止するため、必要があるときは、適当な護床工又は高水敷保護工を設けるものとする。
2 堰を設置する場合は、魚類の遡上等を妨げないようにするために必要があるときは、構造令に準じて魚道を設けるものとする。
(洪水を分流させる堰に関する特例)
第39条 洪水を分流させる堰については、この規則に規定する基準は適用しない。
第5節 雑則
(適用除外)
第40条 この規則の規定は、次に掲げる河川管理施設又は許可工作物(以下「河川管理施設等」という。)については、適用しない。
(1) 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の河川における応急措置によって設けられる河川管理施設等
(2) 臨時に設けられる河川管理施設等
(3) 工事を施行するために仮に設けられる河川管理施設等
(その他の特例)
第41条 河川管理施設等の構造の安全性が確保され、かつ、河川管理上の支障がなく、この規則に規定する基準の全部又は一部を適用することが適当でないと認められるときは、当該基準によらないことができる。
(この規則に施行に関し必要な事項)
第42条 この規則に定めるもののほか、必要な事項については法並びに構造令に準ずる。
附則
(施行期日)
この規則は、平成25年4月1日から施行する。